ビール beer 2005 7 2

 個人消費については、いろいろな見方がありますが、
私は、今の個人消費については、「弱い」と思っています。
 それは、酒屋に行けば、わかります。
ビールより発泡酒の方が売れ、発泡酒より「第三のビール」の方が売れる。
価格は、「第三のビール」(麦芽を使わず、他の材料を使っている)が、最も安い。
 誰だって、発泡酒や「第三のビール」よりも、本物のビールを飲みたい。
それなのに、なぜ、発泡酒や「第三のビール」が売れるのか。
 学者は、経済の現場を知らず、
政治家は、苦労知らずの二世議員が増えてしまった。
これでは、庶民の生活を知ることはできないでしょう。
 それでも、高級品が、よく売れていると言うかもしれません。
しかし、それは、日本に、階級社会ができつつあることを意味しているでしょう。
 「イギリス節約生活」(アリスン・デバイン著 光文社)には、
イギリス階級社会の記述があります。

「いまも残る階級制度」(イギリス節約生活 34ページから)

(1)上流階級 upper class (人口の2〜3パーセント)
 上流階級は王室、貴族とジェントリgentryで構成されている。
ジェントリというのは、一般的に爵位を持たない土地所有者のこと。
 これらの人々は、城や大邸宅に住み、ほとんど働かずに、
土地からの収入などで裕福な生活を送っている。
 つまり、これらの人たちにとって、人生のすべての時間は、ヒマつぶしである。
働く必要がないので、国会議員や知事、判事などになる人も多い。

(2)中流階級 middle class (人口の約15〜20パーセント)
 産業革命によって台頭したブルジョアジーと専門職の人々が、このクラス。
ブルジョアジーとは、産業資本家や銀行家のことで、
専門職とは、弁護士、医師、会計士などで、労働者ではあるが、
肉体労働によるものではないということで、
労働者階級とは区別し、一般的にWhite Collar Workersと呼ばれる。
 しかし、長らく続いた「イギリス病」と「サッチャー改革」で、
多くの中流階級が没落した。

(3)労働者階級 working class (残りのすべての人々)
 毎日の労働によって、生活の糧を得ている階層。
この人々は、働かずには食べていけないし、
何をするにも懐具合を気にしなければならないので、
節約の精神が染みついている。
 現代のイギリス人のほとんどが、この層だから、
イギリスは節約大国と言える。

著者の言葉を紹介します。
「イギリスのワーキングクラスの人々は、
過去をふり返るときに、よく、こういう言葉を口にします。」
「私たちは貧乏だけど、幸せでした」









































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